グランズウェル


グランズウェル
去年、2009年の暮れに買っていたのですが、やっと読みました。企業のマーケティング担当者や、Webディレクター、企画者は読んだほうがいいと思います。ソーシャルテクノロジーを使ったマーケティングの手法や成功事例、リスクについてなど、すごく分かりやすく書いてあり、難しい部分も軽く読めます。インターネット利用者も大きく広がり、情報もリアルタイムで、より信憑性のあるものが伝えられる事が可能になった現在ですが、それによって企業と消費者の関係が大きく変わってきている、と。


変わりつつある企業と消費者の関係
現在、インターネットの広がりによって、消費者の声を簡易にダイレクトに聞くことが可能となったわけですが、今まではハガキでの消費者アンケートや、有償でターゲット層と類似する人を集めて、意見をもらい商品開発やサービス向上への糧としていたと思います。消費者同士がつながり合うこともありませんでした。ブランディングに関しても消費者が決めるものではなく、企業が造り消費者がそれを受け止めるものでしたが、現在、消費者はBlogやSNSを利用しつながり、発信しています。こうした消費者からの情報は、企業が一方的に発信する情報より信憑性が高く、より伝わりやすい情報となります。


ソーシャルテクノロジーの利用
Blogやコミュニティサイト、Twitterやブックマークサービス、音楽・映像・写真など現在、様々なSNSがありますが、そういったサイトから消費者の声を聞き、企業が話しかける、また消費者も企業に話しかける事が可能になったわけで、消費者と対話し、企業に何を求めているか、企業の好まれている部分や不満に思われている部分を知ることが可能になりました。 さらに消費者を活気づける事で、この流れは大きくなり消費者が自ら企業の宣伝をしてくれることにもつながります。

著者はこれらの流れは一時的なことではなく、今後、持続的に続くであろうと言ってます。この手法に成功すれば費用を大きくかけずにマーケティングや宣伝に使用できると思いますが、いい部分ばかりでもありません。もちろんすべての消費者が肯定的な意見ばかりを述べてくれるわけではなく、否定的な意見も受け止める必要があります。企業側に訴えるだけでなく、消費者へも否定的な意見が広がる為、マイナス効果になる可能性もあるということです。前向きに考えれば、否定的な意見もダイレクトに受けられる機会でもあるわけで、この手法はかなり効果的かと思います。
またすべてが成功するわけでもなく、消費者を参加させることなく閉鎖する可能性もあります。

著書の中では、コンピューターメーカーのDELLのカスタマーサポートコミュニティやLEGOのファンサイト、ECサイトの評価システムや社内SNSまで様々な成功例が紹介されていますが、紹介されているような大きな企業でなくとも利用することは可能だと思いました。


ソーシャルテクノロジー戦略の成功
ただ、これらの成功は簡単なものではないと思います。実際にシステムを構築する製作側の知識と企業側との信頼関係はもちろん、企業側に、SNSに対する理解と柔軟な対応が求められるからです。webマーケティングという規模を超え、企業のブランディングや方向性にも大きく関わると思うので、 企業側にも知識と対応が必要になってきます。この知識・理解を持っている企業はまだまだ少ないと思いますので、そこが大きな壁となりそうです。

本の中でも書かれていますが、はじめから壮大に考えるのではなく、小さく初めて徐々に進化させていくのであれば、知識・理解とともに成長していけるので、成功に導きやすいかと。

本の中では、具体的に詳しく説明されているので、マーケティングやディレクションに関わる人は、ぜひ読んでみてください。最近、よく良本に出会うなぁ、いいことだ。

【関連サイト】

「グランズウェル」著者に聞くTwitterマーケティングのコツ